お知らせ

2012.07.19 メディア掲載

朝日新聞において、公益社の遺族サポート「ひだまりの会」に関する記事が掲載されました。

2012年(平成24年)7月10日 火曜日 朝日新聞 朝刊

【亡き妻 悲しみ埋めるため】/生活

「お別れしたくありません。ずっと一緒にいたい」。妻の葬儀で声をつまらせる司会者、みのもんたさん。5月にテレビで放映されたその姿が、胸に迫った。配偶者を失うと、女性より男性のほうが立ち直りに時間がかかるという。妻を亡くした夫は喪失感の闇から、どうしたら自分を取りもどしていけるのだろうか。

▼同じ境遇
いま、どうしてる?天国の妻にメールしたい―――。
そう言う兵庫県西宮市の佐々木武さん(69)と妻輝子さんの別れは突然だった。
2005年2月、輝子さんは趣味のバトミントンの試合に元気に出かけた。夕方、控室で倒れて救急搬送されたと電話。病院に駆けつけると、心臓マッサージを受けていた。まさか、そのまま亡くなるなんて。急性心筋梗塞だった。享年57。
佐々木さんが定年退職して半年。1週間後に夫婦で沖縄へ旅行する計画だった。
「沖縄に何着ていこうか」「今晩、出しておくわ」。それが最後の会話になった。
夢中で葬儀を終えた後が闇だった。何の気力もわかず、家に引きこもった。コンビニ弁当を買ってきても砂をかむよう。ビールで流し込んだ。こんなに苦しいなら線路に飛びこもうと何度思ったことか。鏡を見ると、ほおのこけた顔。3カ月で6㌔やせた。

▼体験語り合い 立ち直り手助け

100日過ぎたころ、葬儀を依頼した「公益社」(大阪市)が遺族をサポートする「ひだまりの会」から誘いの電話があった。会は03年に発足。約750人の会員がいて、家族を亡くした体験を語り合い、心の回復を目指している。佐々木さんは出かけ、初参加組10人で胸の内を吐露した。「世の中の不幸を全て背負っている気分だったけれど、自分だけの苦しみではないんだと救われました」
その後、月1回の会合に出席。子どもがなく妻を失った同じ境遇の男性と意気投合し、時々食事をともにするようになった。
いまは「ひだまりの会」で立ち直った人たちが09年に作ったNPO「遺族支え愛ネット」(大阪市)に参加。医療関係者らに喪失の体験を語り、発信している。地域ともかかわり、子どもたちの下校時の見守り隊の一員だ。

▼遺族外来
埼玉県医科大学国際医療センターには「遺族外来」がある。がんで身内を亡くした遺族らの心の治療をするために07年、開設された。精神科医の大西秀樹教授が担当し、これまで約100人をみた。4割がうつ病の診断。患者の中で男性は2割だが、「男性のほうがダメージが少ないわけではない」と大西教授。「男性は、落ち込んでも援助を求めることなく抱え込んでしまう傾向が強い」
埼玉県熊谷市の秋山欣司さん(78)も遺族外来にかかったひとりだ。鳥取三洋電機の社長だった。帰宅は深夜、土日はつきあいのゴルフ。娘の学校行事に出たこともない。激務の秋山さんを支えた妻の敦子さんが病に倒れたのは、会社顧問を務めていたころ。数年の闘病の末、おととし敦子さんは73歳で逝った。
どうして早く病気に気づいてやれなかったのか。パソコンに向かい、自責の念を日記につづった。<転勤のたびによくついてきてくれた。鳥取の温泉に連れていけず、悪かった。苦労をかけた……>
そんなとき、新聞で遺族外来を知った。思うことをどんどん言ってと促す大西教授。つらさをはき出すことができた。数人の遺族と大西教授、臨床心理士が参加するグループプログラムにも出た。
「つらい、苦しいなんて男は言ってはいけないと思っていた。本音で語り合ううちに気持ちが軽くなりました」
いま、マンションでひとり暮らし。認知症予防にと将棋ソフトで遊びもする。ただ、きょうは暑いなあと言っても、暑いね、とこたえてくれる妻はいない。

▼新たな目標作り 生きる支え
死別の悲嘆やそのケアに詳しい関西学院大学の坂口幸弘教授(37)によると、米ワシントン州で配偶者と死別した60歳以上の人を対象に行われた調査(1995年)では、男性は配偶者のいる人に比べて自殺リスクが3・3倍と高く、女性は差がなかった。「男性のほうが立ち直るのに時間がかかります」
「ひだまりの会」が参加を呼びかけようと電話した男性の中には、妻の死後、人と話すことなく数カ月閉じこもっていたためろれつが回らなかった人もいる。衣替えするにも衣類の場所がわからない、全自動洗濯機がうまく使えず下着までクリーニングⅡ出す、など暮らしのこまごましたことにつまずく人も多い。
そんな中、「遺族支え愛ネット」の発信活動のように「遺族の先輩」として役に立つことは生きる支えになる。坂口教授は「苦しみを分かちあい、信頼関係を築けた人と旅行や趣味を楽しみ、新しい人生の目標を持ってほしい」と話す。(太田康夫)

「ひだまりの会」への問い合わせは、電話(06-6882-1170)、ファクス(06-6744-3358)。
NPO「遺族支え愛ネット」は、月・水・金の午前10時から午後3時まで、電話・ファクス(06-6468-1189)。

上記、記事について無断で複製、送信、出版、頒布する等著作権を侵害する行為を禁止いたします。
朝日新聞朝刊 2012年7月10日
この記事は、朝日新聞社の許諾を得て掲載しております。

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