会社の節目に「人が集う」意味を再認識。
商船三井が2件の「お別れの会」に込めた想い

株式会社商船三井

秘書・総務部長 片岡 正一 様

スーツ姿の男性
会社名
株式会社商船三井
事業内容
ドライバルク事業・エネルギー事業・製品輸送事業・ウェルビーイングライフ事業・その他事業等
従業員数
10,500名(同社および連結子会社)
施行時期
2024年3月 / 2025年12月
URL
https://www.mol.co.jp/

140年以上の歴史を持つ海運会社である株式会社商船三井。ドライバルク、エネルギー輸送、自動車船事業などを中心に、世界中の物流を支えてきた同社は、近年では洋上風力発電や海洋インフラなどの分野にも事業領域を広げ、「社会インフラ企業」として新たな価値創出に取り組んでいます。世界各地で事業を展開する同社では、多くの社員や関係者が長い年月をかけて企業の歩みを支えてきました。

同社は2024年と2025年に、歴代経営者のお別れの会を執り行いました。故人を偲ぶ場であると同時に、会社の歩みを振り返り、社内外の関係者と節目を共有する大切な機会でもあります。準備から当日まで、企業としてどのような考えで会に向き合い、どんなことを大切にしてきたのか。本記事では、2件のお別れの会を担当した秘書・総務部長の片岡様に、開催の背景や運営の工夫、そして企業としてお別れの会を行う意義について振り返っていただきました。

企業としての節目として行われた「お別れの会」

スーツ姿の男性

──まず、商船三井様の事業内容と、片岡様が所属されている秘書・総務部の役割について教えてください。

片岡様:当社は、海上輸送を中心に世界中の物流を支えてきた海運会社です。近年は「社会インフラ企業」を標榜し、新たな事業を世界規模で展開しています。一方で、長い歴史を持つ企業でもあり、伝統を大切にする企業文化が根付いています。

私が所属している秘書・総務部は、秘書業務や株式関連業務のほか、株主総会や創立記念式典などの会社として行う重要な行事の運営を担っています。「お別れの会」もその一つで、会社の節目となる行事として、社内外の関係者と連携しながら準備や運営を行いました。

──今回、企業として「お別れの会」を開催することになった背景について教えてください。

片岡様:当社には、会長や社長を務めた方が逝去された場合に社葬を行うという社内規程があります。今回のお別れの会も、その規程に基づき、経営陣やご遺族のご意向を確認しながら進めていきました。

私は、2024年と2025年の2件のお別れの会を担当しました。いずれも会社として故人をお送りする節目の行事でしたが、それぞれ事情や背景が異なり、準備や運営の進め方にも違いがありました。

担当者として向き合った、準備のプロセス

スーツ姿の男性

──お別れの会の準備が始まった際、まずどのようなことを意識されましたか。

片岡様:まず大切にしたのは、ご遺族への対応でした。お別れの会は会社として行う行事ではありますが、ご遺族にとっては大切なご家族をお送りする場でもあります。まずはお別れの会がどのようなものなのか、会場の雰囲気や当日の流れなどを具体的に示しながらご説明し、会のイメージを共有させていただくことから始めました。

──社内では、どのような準備を進めていったのでしょうか。

片岡様:実務面で最初に取り組んだのは、参列者のご案内リストの作成でした。当社は事業領域が広く、さまざまな部門がお客様や関係先とのつながりを持っています。そのため、どなたに、どのようにご案内するのかを整理する作業は非常に重要です。

同じ企業でも部署ごとに関係がある場合もありますので、重複を調整しながら社内で確認を進めました。機械的に整理できるものではなく、関係性を踏まえて判断する必要があるため、特に注意を払った部分でした。

──1件目のお別れの会では、さらに調整が必要だったと伺いました。

片岡様:はい。2024年のお別れの会は、故人が公的機関のトップも務められていたこともあり、当社以外の関係者との調整が必要だったためです。政界関係者などの参列も想定されていたため、VIP対応や動線などについても配慮が必要でした。参列者も700名以上と多く、社内の複数の部署から協力を得ながら準備を進めていきました。

──続いて2025年のお別れの会では、準備の進め方に違いはありましたか。

片岡様:2件目のお別れの会は、当社単独で行ったという意味で、より一般的なお別れの会に近い形式でした。しかし、スケジュールの都合で年内に開催する必要があり、実質的には2か月半ほどで準備を進めることになりました。

ただ、1件目のお別れの会で一度経験していたこともあり、準備の進め方や当日の運営イメージを共有しやすかったと思います。結果として、2件目は秘書・総務部を中心とした体制でスムーズに運営することができました。

──準備を進める中で、印象に残っている出来事はありますか。

片岡様:私自身、お別れの会を担当することは初めてでしたので、まずは他社のお別れの会の様子を実際に見に行くところから始めました。三井グループの企業などで開催された会に足を運び、会場の構成や展示の仕方などを参考にさせていただきました。

特に印象に残っているのは、展示パネルの作り方です。故人の歩みを写真や文章で紹介する展示は多くの企業で行われていますが、その説明の中には専門用語が多く、関係者以外には分かりにくい場合もありました。そこで商船三井のお別れの会では、海運業界に詳しくない方でも理解できるよう、できるだけ平易な表現を心がけました。

お別れの会は短い時間で参列される方も多いため、写真やパネルを通じて故人の歩みや会社の歴史が自然に伝わるような展示を目指しました。

コーポレートアイデンティティを表現した会場づくり

スーツ姿の男性

──当日の運営にあたり、特に大切にされていた考え方について教えてください。

片岡様:お別れの会は故人を偲ぶ場であると同時に、会社として行う公式行事でもあります。そのため、参列された方々にとって心地よく、安心して過ごしていただける場にすることを第一に考えました。

受付や案内の対応、会場内の動線など、参列された方が迷うことなく自然に過ごせるように準備を重ねました。また、展示スペースでは役員が参列者をお迎えし、故人の思い出や会社の歴史について言葉を交わせるような場となるよう意識しました。

──会場づくりでは、どのような点にこだわったのでしょうか。

片岡様:会社として行うお別れの会ですので、商船三井らしさが感じられる空間にしたいと考えました。そこで、コーポレートカラーを会場演出に取り入れるなど、企業アイデンティティの表現を意識しました。

具体的には、会場の装飾や照明にはコーポレートカラーのブルーを取り入れています。また、見付看板には船をモチーフにしたデザインを採用し、海運会社としてのイメージが自然に伝わるよう工夫しました。

──展示スペースも印象的だったと伺っています。

片岡様:はい。展示スペースでは、故人の歩みを写真やパネルで紹介しました。海外駐在時代の写真やご家族との写真、仕事の場面の写真などを通して、故人の人となりを感じていただけるような構成にしています。

同時に、故人の歩みがそのまま会社の歴史とも重なっている部分がありますので、海運事業の歩みや船舶の写真なども展示し、商船三井という会社の歩みも伝わるようにしました。

開催を通じて生まれた、社内外の反応

スーツ姿の男性

──お別れの会を終えてみて、どのような反応がありましたか。

片岡様:いずれも厳粛な中に、参列された方同士が自然に会話を交わし、故人を偲ぶことができる場になったと思います。役員と参列者が展示スペースで思い出を語り合う場面も多く見られました。

参列された方からも「来てよかった」という声を頂きましたので、会社として大切にしていた想いが、自然な形で伝わる場になったのではないかと感じています。

お別れの会を終えて、最も印象に残っているのはご遺族からのお言葉です。「多くの方にお集まりいただき、きっと故人も喜んでいると思います。開催してよかったです」とのお言葉を頂きました。ご遺族にとっても大切な時間を頂いて行う会ですので、その言葉を聞いたときは、担当者として安堵した気持ちになりました。

──社内ではどのような反応がありましたか。

片岡様:準備の段階では、案内方法や運営についてさまざまな意見が出ることもありました。かかわる社員にとっても初めて経験する行事ですので、「案内が分かりにくいのではないか」といった声もありました。

そこで、WEB会議ツールを活用して社内向けの案内を行うなど、情報共有を工夫しました。会が終わった後には、「お疲れさまでした」と声をかけてもらうことも多く、社内の協力があって成り立った行事だったと改めて感じることができました。

──社外の関係者との関係という点では、どのような意味があったと感じていますか。

片岡様:お別れの会には、普段のビジネスの場ではなかなかお会いする機会のない企業の会長や社長といった方々にもお越しいただきました。そうした方々が同じ場に集まり、当社のメンバーとも交流されている様子を見て、企業としての節目の行事に大きな意義を感じました。故人を偲ぶ場であると同時に、これまで築いてきた関係性を改めて確認し合う場にもなったのではないかと思います。

2件のお別れの会を担当して見えた、お別れの会の意義

スーツ姿の男性

──今回、2件のお別れの会を担当されて、企業として開催する意義についてどのように感じられましたか。

片岡様:会社によって、お別れの会の規模や予算は異なると思います。ただ、今回2件の会を担当して感じたのは、企業として故人をどのようにお送りするのか、関係者の方々にどのような形で感謝を伝えるのか。その考え方が反映されるということでした。

──現代の企業活動の中で、お別れの会の役割はどのように変わってきていると感じますか。

片岡様:最近は、年賀状や季節のご挨拶といった文化も少しずつ減ってきていますし、仕事の進め方も効率を重視する傾向が強くなっています。そうした中で、社内外の関係者が同じ場所に集まり、故人を偲びながら言葉を交わす機会というのは、以前にも増して意味のあるものになっているのではないかと感じました。

お別れの会は、単に儀礼的な行事というだけではなく、人と人とのつながりを改めて感じることができる時間でもあります。会場では、久しぶりに顔を合わせた方同士が故人の思い出を語り合う場面も多く見られました。展示を見ながら当時の出来事を振り返る方もいらっしゃいましたし、参列された方同士の会話も自然と生まれていました。

効率化が進む時代ではありますが、こうした節目のセレモニーが持つ意味や価値は、これからも大切にしていくべきものだと感じています。

──最後に、これからお別れの会の開催を検討している企業担当者の方へ、メッセージをお願いします。

片岡様:お別れの会を準備する際には、「何をすればよいのか」という点に意識が向きがちですが、まずは故人がどのような方だったのかを知ることが大切だと思います。仕事の歩みだけでなく、人柄や大切にしていたものを理解することで、その方らしいお別れの形が見えてくるのではないでしょうか。

また、他社の事例を見たり経験のある方の話を聞いたりすることで、準備のイメージもつかみやすくなります。さまざまな情報を参考にしながら、その会社らしい形で故人をお送りすることができれば、それが最もよいお別れの会になるのではないかと思います。

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