神道式のお葬式の流れや参列時のマナーと神式の社葬について、仏式との相違点などを押えながらご紹介します。
神式の葬儀は、正式名称を「神葬祭」と呼びます。
仏式の葬儀が「死者の魂を極楽へ送りだす」ための儀式であるのに対し、神葬祭は「亡くなった方をその家の守り神に奉る」ための宗教儀礼です。
神式の葬儀は神社等では行わず、自宅やセレモニーホール等で開催します。社葬を神式で執り行う場合は、式場は規模に合わせたセレモニーホールや大規模式場を使用し、
仏式の告別式にあたる葬場祭の儀に沿った儀式を行います。
まず神棚や祖霊舎(それいしゃ)に対して故人の死を奉告し、穢れを防ぐためにその前面に白紙を貼ります。
故人を北か部屋の上位に向けて寝かせ顔を白布で覆います。遺体の前に小案(小さなテーブル)を置き、刃を遺体と逆方向に向けて守り刀を置きます。
さらに案を設け、米や酒(生饌:せいせん)や故人が好んでいた食べ物(常饌:じょうせん)などを供えます。
ご遺体を棺にお納めします。枕直しの儀を殯室(遺体を安置する部屋)で行っていた場合には正寝(表座敷)に移動して、棺前を装飾し、饌を供えて拝礼します。
斎主 (神職)を招いて「祭詞(祝詞に当たる祈祷)」を奏上します。参列者は玉串を奉奠し、拝礼を行います。
通夜を終えた後、死者の霊を「霊璽(れいじ:仏葬における位牌に相当する物)」に移して、仮説の祖霊舎へ安置します。これは「みたまうつし」とも言われます。
仏葬における葬儀と告別式に相当する儀礼で、弔辞・弔電披露、祭詞の奏上、玉串奉奠などを行います。参列者、斎主、遺族とも着席に先立ち手水の儀を行います。
仏式では焼香を行いますが、神式では神前に榊の枝を納める玉串奉奠(たまぐしほうてん)を行います。
棺を霊柩車に移し、近親者と共に火葬場へ移動します。仏式の精進落としに近い慣習として、火葬・繰上十日際の後は直会(なおらい)という食事会を催すことも多いです。
その後は五十日祭を目安に埋葬祭(納骨)が行われます。
通常、神社に参拝する場合は「二礼・二拍手・一礼」の順で拝礼を行いますが、葬儀の柏手ではなく音を出さない「忍び手」で拝みます。
玉串を奉奠する場合は神官に一礼し、玉串案の前で一礼、玉串を奉奠した後に拝礼を行ってください。
神式の葬儀においても、仏式と同じように礼服(喪服)を着用します。
神式の不祝儀袋(香典袋)の表書きには、「御玉串料(おんたまぐしりょう)」や「御霊前(ごれいぜん)」「御榊料(おさかきりょう)」と記載することが一般的です。
なお、喪主から神官に奉祀料を渡す場合は、「御神饌料(ごしんせんりょう)」や「御祈祷料(ごきとうりょう)」「初穂料(はつほりょう)」などを記載します。
社葬対象者が神職の場合や神道に造詣が深い場合に、社葬や合同葬を神式で執り行うことがあります。
儀式的には上記で紹介した葬場祭の流れに近く、主催企業や業界関係者による葬儀委員を編成し、葬儀委員長をたてます。
香典・供物・供花の取扱いについては仏式や無宗教の社葬と異なることはなく、主催者側の意向により受けるかどうかが異なります。こちらについては案内状や訃報広告で案内します。
文科省が行った宗教に関する調査によると、日本人の多くは神道と仏教の両方を信仰していると見られており、ビジネスシーンでも建設・土木・不動産業界など神道を大切にする業界が存在します。
日常生活でも、鏡開きやお盆、ひな祭りや七五三など、神道や仏教にかかわる行事がたくさんあります。一方、お葬式は仏式で執り行われることが多く、神式のお葬式に戸惑う方もいらっしゃるかもしれません。
公益社では神式のお葬式や社葬について多くの経験があります。神式の社葬についてお考えでしたら、まずは公益社にご相談ください。
「お別れの会のサイト」ではホテルなどでのお別れの会の式次第や流れ、式場の情報やマナーなどご紹介しています。
お別れの会の知恵袋を見るリスクマネジメントの一環として、
社葬・お別れの会セミナーへの参加をおすすめします